1960年代、ヨーロッパで発売された保険「純潔保険」は、可愛い愛娘を持つ父親の心配を保険商品化したもの。
いわゆるロストバージンで保険金が受け取れるという面白い保険です。
娘が「純潔」でなくなった場合には、保険を掛けた両親へ保険金が支払われます。
結婚を予定している可愛い愛娘に保険を掛けるというパターンもあります。
一風変わった純潔保険の背景
純潔保険が生まれた1960年代半ばのヨーロッパでは、海外留学がブームとなっていました。そこで海外留学へ送り出す可愛い愛娘の純潔を守るために、その両親が依頼してできた保険とされています。
「どんな保険でも引き受ける」ことで有名なロイズ保険組合がこの補償を引き受けています。
ロイズ保険組合では特殊な保険を様々扱っていますが、特殊な保険では保険金の受け取りに厳重な調査が必須となっています。
純潔保険の事例
スコットランドの50代の女性3名が、自らの純潔に高価な保険をかけたケースもあります。スコットランドの女性の例では、妊娠等を想定し、年間の掛け金120ポンド、補償金として125万ポンドを受け取る契約となっていました。
正確な値段については明らかにされていませんが、ロストバージンの際には約200万円(現在の貨幣価値)の保険金の支払いがあったとされています。掛け金については、類似ケースで年間25万円程(現在の貨幣価値)であったという情報が残っています。
保険会社は保険金の支払い額が膨大となり、販売開始から数年後には異常な大損失とともに商品の販売を中止するという結末を迎えています。大損失の原因は「逆選択」という現象にありました。
というのも、当時のイタリアは性に対して奔放な女性が多く、心配する親の娘程、ロストバージンしてしまうことが多かったのです。
つまり、保険金を受け取る可能性が高い親だけが保険に加入したために、多大な損失へと繋がってしまったという訳です。
貞淑な娘を持つ親は、そもそも純潔保険などに加入しないということです。
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